かなめのらくがき帳

ツイッターでは書ききれないものを書いたり書かなかったりするものです

落単ファイターオセロ-Dを継ぐもの- 第一話「新たなる戦い-TとKの狭間で-」

記念すべき?一本目の記事は前にツイッターで書いた落単ファイターオセロの続き。前回のは前日譚みたいな扱いでいこうと思います。この手のあらすじはツイッターの180文字じゃ足りないと前々から感じていたので文字数を気にせず書けるのは嬉しい。

-あらすじ-

雪の舞うある日のこと、T大学の学生であるオセロは途方に暮れていた。彼の前にあるのはパソコンに表示された成績評価Dの文字。彼は教授との戦いに敗れたのだ。何よりも問題だったのは、その講義が2年から3年に進級するのに必要な単位を取得するためのものだったこと。そして、来年度は同じ時間に別の講義を受けなくてはいけないことだった。このままでは来年進級ができず、留年をしてしまうことになる。そうすれば実家の家族たちが黙っているはずが無く、実家を飛び出したことで手に入れた自由を失ってしまうことになる。まあ、その自由にかまけて単位を落としてしまったのも事実なのだが…。

いくら考えても留年を回避する方法が浮かばないオセロはせめて自分を慰めようと自分とおなじ境遇の人間をツイッターで探し始める。自分と同じ人間をツイッターで探すのは彼の癖であり日常の一部だった。単位を落として本気で落ち込む者、危機感が無くいっそ余裕すら感じさせる者、既に進級を諦めた者など多種多様な人間を眺める中、あるツイートがオセロの目に留まる。それは、新型感染症の蔓延を受けてオンライン授業が導入されるというものだった。それを見たオセロにあるアイデアが浮かぶ。普通なら不可能な、しかし今なら実現できるかもしれないものが。すぐさま単位認定に関する資料を確認し、実行可能であると確信したオセロは西日本にあるK大学へと向かうのだった…。

時は流れ新学期。オンラインでの授業が始まる中、オセロはパソコンとスマートフォンで2つの授業を同時に受けていた。一つは彼が在籍するT大学の授業。そしてもう一つは彼が向かったK大学の授業だった。彼が考えた留年回避の策。それは、K大学のオンライン授業で落とした単位に相当する単位を獲得することでT大学でも単位を認定させ、T大学での再履修を行わずして落とした単位を回収するというものだった。他の大学で相当する単位を獲得した場合にその単位取得を免除するT大学の規約を逆手に取った起死回生の一手。本来なら大学間の距離から到底実行できないが、両大学がオンライン授業を導入した今なら…!確かな希望を胸にオセロの新たな戦いが始まろうとしていた…。